箸やペンが使いにくい理由と改善のヒント
脳卒中の後遺症にはさまざまなタイプがありますが、
その中でも多くの方が経験するのが、握力はあるのに細かい動きが苦手になる状態です。
私自身、握力はけっこう回復していて調子のよいときは30kgほどありますが、手の器用さが激減して、箸を持つのも字を書くのも一苦労。
「力はあるのに、なぜこんなに動かしづらいのだろう?」と思って調べたのですが、痙縮(けいしゅく)と巧緻(こうち)運動障害とのことでした。

どないしたんひですけ?
難しい顔をして?

最近の左手の動きがよくないんよ。
一応、麻痺はしている者の利き手なので、箸は使いにくいし、字は書きにくいし、パソコンのキーボードもうまく打ちにくい。色々、生活しにくくてね。
どうやら巧緻(こうち)というみたいやけど、めちゃめちゃ不器用になってしもたみたい。

そら難儀やな・・・。
巧緻(こうち)ってワイも初めて聞いたわ。
痙縮(けいしゅく)とは?
痙縮とは、脳の信号がバグって筋肉が勝手に縮もうとする状態のことです。
脳や脊髄に損傷が起こると、筋肉を「緩める」指令がうまく届かなくなります。
その結果、筋肉が半分力を入れたまま固まったようになり、思うように伸びません。
痙縮の特徴
- 腕や指を伸ばそうとすると“ピン”と張る
- 無理に動かそうとすると痛みや抵抗感がある
- 寒さや疲れでさらに固まりやすくなる
痙縮は、必要な動作の邪魔をしたり、動きを遅くしたりする原因になります。
巧緻(こうち)運動障害とは?
巧緻運動障害とは、手や指の細かい動きが不器用になる状態です。
単純に握る・開くといった動作はできても、
力加減を細かく調整したり、指を独立して動かしたりするのが難しくなります。
巧緻運動障害の特徴
- 箸でつかもうとすると指が固まる
- ペンを持つとすぐに疲れる
- ボタンを留める、小さい物をつまむのが難しい
これは筋力不足ではなく、脳からの「動きの指令」が微調整できなくなることが原因です。
痙縮と巧緻運動障害が重なると?
脳卒中後は、この痙縮と巧緻運動障害が同時に起こることが少なくありません。
痙縮で筋肉が固まりやすくなり、その上で巧緻運動障害があると、
- 力を入れるタイミング
- 力を抜くタイミング
- 指を別々に動かす動作
がより一層難しくなります。
その結果、握力はあっても「箸が使いにくい」「字が書きにくい」といった状態になるのです。

脳卒中ブログ3年以上書いていてもまたまだ知らんことあるねぇ・・・。

いうて、どうせひですけのことやし、解決策も調べたんやろ?

まぁねw
自宅でできる簡単トレーニング
改善のポイントは「微調整の練習」
握力そのものを鍛えるよりも、力の出し入れや指の独立した動きを練習することが大切です。
以下のような簡単な動きから始めると、少しずつ器用さが戻りやすくなります。
1. ペットボトルキャップ回し
- ペットボトルを軽く持ち、開け閉めをゆっくり5回
- 力を入れる/抜く切り替えを意識
2. スポンジつまみ移動
- 小さなスポンジを親指+人差し指でつまみ、別の皿に移す
- 慣れたら中指や薬指、小指も使ってみる
3. 洗濯ばさみつけ外し
- 親指+人差し指、親指+中指で交互に行う
- 開くときに突っ張らないように意識
4. 太めのペンで短時間書く
- 普通のペンより太いグリップ付きペンを使う
- 1〜2行だけ短時間で書く練習から
練習のコツ
- 疲れる前に休む(突っ張り防止)
- 最初は太くて滑りにくい道具を使う
- 難しい動作は基礎動作がスムーズになってから挑戦

痙縮でうでが突っ張ってしまうとしんどくなるので、その前にやめる。
短時間をこまめに毎日やる感じですね。

根気がいるからこそ、楽しみながらやってやぁ~

ちなみに私は最初だけ箸を使ってご飯を食べる(あとは自助具箸かスプーン)。
あとはテレビ見ながらペットボトルなど左手でキャップあけや、指折り運動や影絵のきつねを作るなどの指遊びを短時間やるようにしています。
脳卒中は放っておくと筋肉が退化していくので気が付いて時点から対策するようにしています。
その他のリハビリ方法(自宅以外)
IVES(アイビス)
IVES(アイビス)で巧緻動作を改善するリハビリは、
「自分で動かそうとする筋肉の動きを、電気刺激でアシストする」という原理で行います。
FES(機能的電気刺激)と似ていますが、IVESは随意運動連動型なので、動かそうとした時だけ刺激が入ります。
1. 巧緻動作リハにIVESを使うメリット
- 自分の意思と連動して動くため、神経可塑性(脳の回路再学習)を促しやすい
- 過剰刺激になりにくく、長時間使用しても疲れにくい
- 鉛筆・箸・カードめくりなど、実際の動作中に使用できる
2. 基本の使用手順(例:手指の巧緻改善)
- 電極位置の設定
- 対象筋肉(例:総指伸筋、虫様筋など)に合わせて貼付
- 指の動きに応じた貼り方をPT/OTから習うのが必須
- 感度調整
- 動かそうとした時にだけ反応するよう、感度を微調整
- 動かしていない時は刺激が出ないようにする
- 訓練動作
- 箸・ペン・洗濯ばさみ・ビーズ掴みなどの作業を実施
- 刺激がアシストしてくれるので、動作を繰り返しやすい
- 時間と頻度
- 1回20〜30分
- 1日1〜2回が目安

IVES(アイビス)も有効ならかかり付けのリハビリテーションセンターに相談してみるのもアリやね。

IVES(アイビス)は50万とかするから家に置くにはハードル高いね^^;
追記

で、実際に行ってきた様子がこちら。
初回は10分くらいだったけど、人差し指動かす筋肉だけ筋肉痛になった…^^;
まとめ
脳卒中後に「握れるけど器用に動かせない」のは、握力不足ではなく、
痙縮(けいしゅく)と巧緻(こうち)運動障害が重なって、動きのコントロールが難しくなっているからです。
焦らず、小さな動作の練習を積み重ねることで、
箸やペンといった細かい作業が少しずつ楽になる可能性があります。
無理のない範囲で、毎日の生活に取り入れてみてください。





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