この記事でわかること
・血栓回収療法とは何か
・どんな人が対象になるか
・治療の効果と数字
・救急時の行動のポイント
脳卒中の治療は、ここ数年で大きく進歩しています。
私自身は脳出血だったので、
脳梗塞については知識程度で実感というものはあまりないのですが、
それでも、私も同じ「脳卒中」という病気を経験した立場として、
調べていく中で
「これは本人や家族が知っておいた方がいい」と感じた治療法がありました。
血管からカテーテルを入れて、
脳の血管に詰まった血栓を直接取り除く治療です。
忘れないうちに、まとめておきます。

血管の中の血栓を直接吸い取って治すんやね。

そう。
いままでは、開頭手術をするか、血栓を溶かす治療が主体やったんやけどね。
2015年以降の複数の試験で、血栓回収療法は、標準治療に比べて
生存率と機能予後が改善することが示された。
血栓回収療法を受けた患者の90日死亡率は約16.1%。
従来治療の約19.2%より有意に低下していて、
約32人に1人の死亡を防ぐ効果に相当するんだとか。
※Rajkumar CA, et al. Meta-analysis参照

脳梗塞だけでも年間14万人とかいるんやし、
単純計算でも4300人以上助かったことになるんやね。
血管から血栓を取り除く「カテーテル治療」を知っておいてください
脳卒中は、
ある日突然起こり、本人だけでなく家族の人生にも大きな影響を与える病気です。
私も利き手がうまく使えなくなり、文字を書くことも、箸を使うことも困難になりましたし、
1kmも歩けなくなって、生活に大きな支障が出ているので、できる事はやろうと自宅で仕組屋をいています。
一方で、この数年、脳卒中の治療は確実に進歩しています。
特に脳梗塞では、血管の詰まりを直接取り除く治療が標準的に行われるようになってきました。
この記事では、
当事者やご家族が知っておいてほしい最低限の知識を、できるだけわかりやすくまとめます。
血管から血栓を取る治療がある
現在、主に脳梗塞で行われている治療に、
**機械的血栓回収療法(血管内治療)**があります。
これは、
- 足の付け根や手首の血管から
- 細いカテーテル(管)を入れ
- 脳の詰まった血管まで進め
- 血栓を直接取り除く
という治療です。
開頭手術ではなく、血管の中を通って行う治療です。
血栓はどうやって取り除くのか
近年の脳梗塞後の予後を劇的に変えた血栓回収術ですが、イメージ動画すごくわかりやすいですね。すごいです。新しい技術が日々検討され、医学の進歩していきます。その進歩に合わせて適切なリハビリを実施し、対象者の方々の人生に貢献していきたいですね
— 竹林 崇@脳卒中リハの専門家, 作業療法士, PhD(医学) (@takshi_77) January 6, 2026
pic.twitter.com/wJbMsZpVkw
※ 動画は音が出ます。音量にご注意ください。

血栓の回収方法には、主に2つあります。
吸引タイプ
ストローのような管で、
血栓を吸い取る方法です。
ステントタイプ
金網状の器具を血栓に引っかけ、
絡めて引き抜く方法です。
実際の現場では、
患者さんの状態に応じて両方を組み合わせることも多くなっています。
この治療が意味する大きな変化
以前の脳梗塞治療は、
- 点滴で血栓を溶かす薬が中心
- 時間制限が非常に厳しい
- 太い血管の詰まりには効果が弱い
という課題がありました。
カテーテル治療が普及したことで、
- 重い脳梗塞でも回復を目指せる
- 条件次第で発症から最大24時間以内まで治療できる
- 麻痺や失語などの後遺症を減らせる可能性が高まった
という変化が起きています。
これは、
脳卒中の予後(その後の生活)を左右する、大きな転換点です。
すべての人が受けられるわけではない
とても有効な治療ですが、誰でも受けられるわけではありません。
- 主に「太い血管が詰まった脳梗塞」が対象
- 専門医と設備が必要
- 実施できる病院は限られる
そのため、時間との勝負になります。
家族として絶対に知っておいてほしいこと
もし、次のような症状が突然出たら、




- 片側の手足が動かない、しびれる
- ろれつが回らない、言葉が出ない
- 顔の片側が下がる
- 急に片目が見えなくなる、視野が欠ける
迷わず救急車を呼んでください。
本人が大丈夫だといっても、呼んでください。
そして可能であれば、
救急隊や医療機関にこう伝えてください。
「脳卒中の可能性があります」
この一言が、
適切な病院・治療につながる可能性を高めます。
脳卒中は「何もできない病気」ではなくなりつつある
医療の進歩によって、脳卒中は、
- 助からない病気
- 重い後遺症が残るだけの病気
から、
- 早く対応すれば回復を目指せる病気
へと、確実に変わり始めています。
もちろん、
すべてがうまくいくわけではありませんが、
それでも、
「知っているかどうか」で結果が変わる時代になっています。

脳卒中は
最悪の場合、命を落とすか寝たきりになる病気です。
よくても片麻痺などの後遺症が残り、
生活に大きな影響が出ます。
ただし、早期に見つかれば、
骨折程度の被害で済むこともありますので
少しでも怪しいと思ったら、
一刻も早く病院へ。
参考文献・情報リンク
- 日本脳卒中学会「脳卒中治療ガイドライン」
- 国立循環器病研究センター「脳梗塞の治療」
- American Heart Association / American Stroke Association Guidelines for Acute Ischemic Stroke
- Goyal M, et al. Endovascular thrombectomy after large-vessel ischaemic stroke(The Lancet)
- Saver JL, et al. Time to Treatment With Endovascular Thrombectomy and Outcomes(JAMA)
- Rajkumar CA, et al. Meta-analysis of randomized controlled trials of mechanical thrombectomy for acute ischemic stroke (includes 90-day mortality reduction data)



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